だから、俺にしとけよ。




核心をつくような入谷くんのセリフ。

確かに付き合っていない。


だけど、京ちゃんは言っていた。




「妹みたいに大切だから、俺の背中だけを追っかけていてほしい。
だから他の男には渡せない。
伊都は渡さない」




祭りの日もそう言っていたよね。


だから私は追いかけるって決め……。




「はっ。何だそれ。
ただの独占欲じゃん。
あんたの勝手な思いに伊都ちゃんを巻き込むなよ」



睨むような鋭い瞳を京ちゃんに向ける。

そう返すとは思わなかった。



私は何も言えずにただ頷くことしかできなかったから。




「大切な妹なら独立させてやったら?
いつまでも兄のことだけ思うわけないだろ?
妹にだって自分の世界があって、恋とかもするんだよ」




< 210 / 370 >

この作品をシェア

pagetop