だから、俺にしとけよ。
「伊都。俺のこと……」
「ん?」
「……やっぱ何でもない。見よう」
伊都と離れて興味のない映画を見る。
だけど、内容は全く頭に入らない。
たまにチラッと伊都を見ると、涙ぐんでいて感動している様子だった。
そんな伊都も好きだなって思うんだ。
伊都の全部好きって思える。
俺にとっての初恋だから。
すごく大事にしてやりたいって思うんだ。
今まで俺を支えてくれていた分、今度は俺が伊都を支えたいって。
俺が幸せにしてやりたい。