だから、俺にしとけよ。
結局はどういうことかというと、俺はまだ伊都のことが好きで未練たらしく思っている。
自分でも女々しいと分かっている。
今まで恋愛を知らなかったやつが、知った瞬間それから逃れることができない。
ほんと、不思議な感情だな。
「あ、京ちゃーん!」
季節は冬。
全ての授業が終わり考えごとをしながら、校舎を出たところ。
マフラーをしてポケットに手を突っ込んで、白い息を吐くと後ろから俺を呼ぶ声。
俺のことを“京ちゃん”と呼ぶのは1人しかいない。
俺に初恋を教えてくれた大切な人。