だから、俺にしとけよ。
しても意味がないと知っているから。
本当に大切な、大好きな相手じゃないと。
「まだ元カノさんのこと……好きなんですよね?」
あぁ、こいつは知ってんのか。
それで俺に気持ちを伝えてきてるのか。
その勇気は素直にうらやましいと思った。
「そう。だからごめん」
「嫌です!」
「は?」
突然の強い口調で驚きの声を漏らす。
いや、意味が分かんねぇよ。
「わたし、諦めませんから!」
「ちょっ!」
それだけ言うと走って行ってしまった長谷部ゆり。
止めようとしても、すでにその背中は小さくなっていた。