あいつじゃなくて俺を見ろ
佐久間君には、死角で真のことが見えなかったから、誤解してるんだ


「いや、ちがうよ
 私、じつは佐久…」


「もう、いい!!!!!」







私から離れた佐久間君は


私の言葉を遮って


怒鳴り声をあげた


「へ?」


いつもはこんなに怒んない佐久間君が


すごく怒ってる


やっぱ勝手に席に座られて怒ってたんだ


気づかなかったけど、佐久間にとってはすごく嫌なことだったんだ


あーあ、ホントに嫌われちゃた


ごめんね、佐久間君


まだ、嫌いにならないでって思ってる


私は最低かな


だって、佐久間君に嫌われたら立ち直れないもん


「怒ってたよね、ごめんね」


早くここから離れないと


涙が…








あふれちゃう


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