悪戯な唇
嫉妬する唇

キスマーク


なにするの⁈


顔をあげ立ち上がった男が口角を上げ意地悪く笑う。


「これで、明日は完全防備で隠さないといけないな」


ア然とする私は、放心状態で言葉が出てこない。


彼は、棚の一番上にある段ボールを下ろしてから、私に向き直りチュッと唇に軽いキスをして、部屋から出て行った。


男がいなくなり…


えっ…


触ってもわからない首元を、指で確かめてもジンジンするだけでわからない。


外されたボタンを元に留めて、トイレに駆け込もうと部屋を出そうになった…


あっ…


トロフィー


男が下ろしていった段ボールの箱の中にトロフィーが入っていた。


箱の上にはトロフィーとマジックで書いてある。


身長の大きな彼には見える高さに置いてあったから…わざわざ下ろしてくれたの⁈


さりげない優しさにキュンときていた。


それから、トロフィーの入った箱を持ってトイレの鏡の前に立つ。


トイレの中に誰もいないことを確認して、ボタンを外し首元を鏡越しに見れば…


赤くなったアザのようなものが…


まさか…


慌ててスカートをめくり、内腿を見てみる。


そこには、くっきりとついたキスマークがついていた。
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