あなたの傍に居させて
プロローグ
「お呼びでしょうか?」


「あー呼んだで。今日はこれから出掛ける。後のスケジュール調整よろしゅうな。」


そう言って神城社長はグレーの細身のスーツのジャケットを羽織る。

「畏まりました。お気をつけて。」
(どちらに行かれるのですか?)
(社にはお戻りになられますか?)

そんな野暮な事は聞かない。

神城社長は女誑しの折り紙付き。

今からどこに行こうが、誰に会おうが、秘書の私が関与してはいけないこと。


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