エリート上司と偽りの恋
会社のイベント終わりで帰宅中の私たち。ガタンガタンと音を鳴らしながら時々揺れる電車の中、あたり前だけど周りには知らない人が沢山いる。


正直、ロマンティックなシチュエーションとはほど遠い。

たったひと言だけのプロポーズの言葉も、思い描いていたのとは全然違った。


だけど私は今、たまらなく幸せだ。


きっとこの瞬間は、世界中の誰よりも私が一番幸せだって思えるくらい。




返事を待っている晴輝が急かすように私の腰に手を回し、少しだけ体を引き寄せる。


相変わらず綺麗で整った晴輝の顔を見つめながら、私は答えた。




「よろしくお願いします」









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