いつか私に出会うまで。
第一章





―――――ピッ………ピッ…………




規則正しく、何かが聞こえる。

機械の音だということは、なんとなく分かっている。

今、自分が何かに横たわっていることも分かっている。

薄く、目を開けると。

今、見えている物が天井だということも。


けれど、分からないことがある。


何故、私はここにいるのだろう。


ゆっくりと起き上がると辺りを見た。


ここは……病院だよね?


それは分かるけれど。


何故、というか。


そもそも……………―――――



ガラガラ………


急に開けられた扉が私の思考を止めた。

そして、入ってきた男性と、目を見合わせた。


男性は、黒かった。

髪と瞳は、どこまでも深い艷やかな黒。

コートも黒。

パンツも黒。

ブーツも黒。


それでも変に見えないのは、彼がとても、綺麗な人だから。


「み、なつ………?」

「……え…?」

「深懐!!」


そう言って彼は、これまたご丁寧に真っ黒なカバンを、手から滑り落とした。

そんなところに置いたら、次に入ってくる人に蹴られてしまう…なんて思う暇もなく。

とても強い力で抱きしめられた。

状況が全く掴めないまま、されるがままでいると、また扉が開かれた。


ガラガラ………


入ってきたのは、またも男性だった。


「え…………え!?!?」


"黒い彼"とは真逆な彼は、何と言うか眩しかった。


煌めく金髪に、はしばみ色の瞳。

白い肌に、様々なアクセサリー。

"黒い彼"とは違い、服装にそこまでの特徴は無いけれど……

何と言うか……そう、チャラい。

全てが輝かしい人だった。




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