恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
だって、雪野先輩に送り迎えなんてしてもらったのが学校の女子にバレたらどーなる?!って話よ。

雪野翔ファンクラブの面々に取り囲まれるのは確実でしょ?

その後は、やれ付き合ってるのか、どんな方法で射止めたのかだの、機関銃を乱射される勢いで質問されるに違いない。

挙げ句の果てに一緒に住んでるなんて知られた暁には、確実に処刑だわ。

やだやだ、怖いし正直言って面倒。

雪野先輩は断った私を一瞥すると、こう言い放った。

「お前に拒否権はないし、美術教室の帰りにちょっと付き合ってもらう」

えーっ!!

凄く嫌なんだけど。

「でも……美術教室から帰ったらテスト勉強しなきゃ……私、数学が苦手で」
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