恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
「誰にでもノコノコ付いていくんじゃねえっ!!ガキか、お前はっ!」

きゃーっ!!

凄い怒鳴り声に、私は思わず肩を縮めた。

「ご、ごめんなさいっ!」

怖くて眼を閉じた私を、雪野先輩は抱き上げた。

「きゃああっ」

急に身体が浮いて、思わず叫ぶと、

「うるせえっ!!」

「すみませんっ」

先輩の迫力が凄すぎて、私は身体の震えを止めることが出来なかった。

●●●●●●

散々だった。

連れ込まれた空き家の前に投げ捨てられていた画材道具を拾い集め、ようやく雪野先輩の家にたどり着いた頃、何だか気分が悪かった。
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