恋した彼は白金狼《プラチナウルフ》
まだ廊下だよ?!校内だよ!?

皆が見てるじゃん!!

こんな、人前でっ……。

全身の血液が全て顔に集まってくるような感覚がして、死ぬほど熱い。

「何だよ、その顔」

「だ、だってっ」

咄嗟に振り払おうとした指先を、先輩が更に力強く握り締めた。

「ダメだ」

斜めに私を見た先輩の瞳が甘く光って、私はクラリとよろけた。

「おい」

先輩が焦って、ヘロヘロの私を腕一本で抱き止めた。

逞しい腕が腰に回って、そこから全身が痺れる感じがする。

ああ、もう確定だ。
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