御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~
【番外編】御曹司と恋人の甘い生活

 東京に戻って、美月と雪成はとにかく自分たちの時間を持つように心がけようと話をした。

 だが、これまでのずっと素直になれなかった分、美月はかなり照れがあった。

 しかも普段は上司と部下である。

 なかなかオンとオフの切り替えが難しいのだ。


(だけど、雪成さんにはそんな感覚はないみたい……。)


「あの、雪成さん、座っていただいていいですよ。すぐに用意して持って行きますから」


 美月は、親鳥について歩くひな鳥のように、キッチンを行ったり来たりする自分の後ろをついて歩く雪成を、振り返った。


「一人で座りたくない」
「……え?」
「離れたくない」


 そして雪成は手を伸ばして、美月の手から料理が乗ったお盆を受け取ると、そのまま上半身を折るようにして美月に口付ける。

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