御曹司による贅沢な溺愛~純真秘書の正しい可愛がり方~

 見上げると、彼の漆黒の瞳と視線が重なった。


「……美月、きれいだ。大事にする」


 なんて、甘い。

(本気にしちゃう……こんなの。いや、絶対にしないけど……。)


 けれど美月は嬉しかった。
 
 雪成と肌を重ねて、甘い言葉を囁かれて、いっときでも傷ついた心が癒される気がしたのだ。


「ありがとう、ございます……」


 雪成のおかけで、一人で泣く夜だけは避けられた。この街でそんな思いはもう二度としたくなかった。


「美月」


 大きな手が美月の頰を包み込む。
 そして覆い被さるように雪成がキスをした。


「お前はただ俺に愛されて、甘やかされていればいい……」



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