病床のキス【短編】
 道端のお花屋さんで、小さなブーケを買った。コレは私からのお見舞だ。

 木ノ下仁先輩は、私より2年早く入社して、年も2コ上の32歳。

 本当は、私だって好きだったんだ。
 情けないことに、もう6年越しの片想い。

 水無月サンと付き合い出したって更衣室でこないだ聞いて、これまた情けない事に、衝動的に髪をバッサリ。

 どんだけヘタレた重たい女だと、いい加減、自己嫌悪もピークに達してたとこだった。

 あーあ、
 こんな事なら、言うだけ言っとけば良かった。
 ま、そんな勇気はなかったけどね。

 女のカンは鋭いな。
 水無月アカリは見破っていた。

 私ったら……超カッコ悪い。
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