空の青はどこまでも蒼く
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「空ってさ、どこまで続いてるんだろうね?」
「どうしたの、急に?そりゃ、大気圏のさ、抜けるとこまで?」
「そんなこと聞いてないよ。空の青って、どこまでも蒼いんだよね・・・」
「何?亜美。おかしくなった?」


***



同期の有希にそう言われるのも仕方ない。
昼休み、会社の屋上で、抜ける様な青空を眺めて、私はそう思った。
感傷に浸ってたのかも知れない。
昨日、3年間付き合ってた彼に振られた。


『亜美は強いから、独りでも生きて行けるよ。』


いつからだろう?
私に強い女と言う肩書きがついたのは。


3年も付き合って、そろそろ結婚なのかな?と思ってた矢先の別れ話。
私は取り乱す事も、泣き叫ぶ事もしなかった。
やっぱり私は強い女なんだろうか?


『理由だけ聞かせて?』


私の口からは冷淡な言葉だけが出ていた。


『亜美に俺は必要ないじゃん。』


そう彼から言われた瞬間、彼には新しい可愛い女が居るんだとわかった。


『そっか。そうだね・・・今までありがとね。』


私達の3年間は呆気なく終焉を迎えた。


家に帰ったからと言って、泣き叫ぶ事もしなかった。
そんなに彼のことを愛してなかったんだろうか?
彼が言うように、私に彼は必要じゃなかったんだろうか?
温かい雫が、頬を伝った。


***


「亜美?何かあった?」
「ん?昨日、彼と別れた。」
「えっ?何?それ。そんな簡単に報告出来ること?」
「うん、出来ちゃう感じ?」
「ほんとに?いや~亜美ちゃん!今日は呑みに行こうじゃないの!」


高校からの付き合いの有希は私の一番の理解者だ。
私の異変を察知し、それに対する対処法も知っている。
今夜、有希と呑みに行って、私は彼を綺麗さっぱり忘れる。
そしてまた、明日から普通の日々を送るんだ。
この時、私はそう思っていた。




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