空の青はどこまでも蒼く
11
「有希・・・・・どうして、ここなの?」
「ごめんね、亜美。私達に付き合って。」


私はフルフルと首を横に振ることしか出来ず、車から動けなくなった。
そんな私を車から降ろそうと、有希が腕を引く。


「どうして?どうしてこんなことするの?」


私は震える身体を抱え込みながら、有希に聞いた。
足が震える。
心が揺れる。


楽しかった思い出。
けど、その結末は私を地獄の底へと落とした。
そんなこの場所に、どうして有希と祐亮は私を連れて来たの?




痛いほど腕を引かれ、水族館の前まで連れて来られた。
山野君と最後に来た場所。


中で魚を見ることが目的じゃなかった。
彼は私を試した。
彼の中の決断をただ実行した場所だった。


私にとっては、もう思い出したくもない過去。
それなのに、それなのに・・・・・


有希に手を引かれ、連れて来られたのは水族館の中ではなく、その前に広がる広場だった。
その広場の向こう、太陽の光を背に、佇む一人のシルエットが浮かんだ。


その人影は、私が会いたくて会いたくて、今にもこの想いが溢れ出そうな想いを抱えているその人だった。



「山野・・・君・・・・・」





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