さくら色した君が好き
桜はまだか

春だよー
春が来たよーー!

やっと気温が上がって
今日はパーカー着てチャリに乗る私。
テンション上がるぜ。

「いってきまーす」
さすがにチャリで並んで走れないので、私は胡桃より先に家を出る。
まだ風は冷たいけれど
まちがいなく春が来たよ。
春の香りがするよ。

念願のパーカーを着て
イヤホンで俊太の歌声を聴いてると、俊太に包まれてるようないい気分になってくる。

あぁ幸せだなぁ。

通学路から見える
緑ヶ丘公園の桜の樹も喜んでる。
もうすぐだよ
もう少しで咲くからね。
今年は開花が早いらしい。
淡いピンク色に染まった公園が早く見たいなぁ。

浮かれ気分で学校に到着。
上靴を履こうとしてたら、強い力でパーカーのフードを引っ張られた。

いやちょっと待って!
私のネ申のパーカーを引っ張るって誰?

驚く私の声を止めるように

「Catch Looksじゃん」って、私より驚いた声で山村君がそう言った。

「買ったんだ」

「うん。農家でポットのバイトした」

「スゲー俺も欲しかったこれ」

いつも見る
クールな怖い印象とは別に
山村君は興奮気味に熱く語る。
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