小説家らしき存在

「あれ？この原稿用紙、先生の名前が入っているから、もし誰かが見たら、先生の作品だと勘違いされるかもしれませんねねぇ先生？」
声がしない。
「先生？」
立ってあたりを見渡すが、次人はどこにもいない。
自分が入ってきたドアが目に入る。
ドアに手をかける。
「あれ？開かない...」
ドアはびくともしない。
「先生？やめてくださいよぉぉぉぉ」
本当にいない。
「先生？先生！！」
「はい？」
するとその時、自分から発していない言葉が耳に入る。
「やめてよぉぉぉぉぉぉ！」
僕は恐怖のあまり尻もちをついてしまった。
「どうしたんだいきなり？」
次人は疑問を浮かべる。
「だってぇぇ空気がすげーリアルだったんだもん」
ぼくは立つと、
「あ゛？」
ようやく状況がつかめてきたらしい。
「僕が100人目かと思いましたよ...」
彼は笑いながら、
「そんな訳ないですよぉ！」
と言った。
「ですよねぇ～。」
「101人目だろう？」
「え？」