ガチャガチャと鍵を開ける音がして波留が帰ってきた。


「ただいま〜!ってあれ?唯都くん帰ってた……っ!」



波留が持っていたバックが床に落ちた音がして僕は後ろに立っていた波留の方を向いた。



「病気って何?なんで…っ…なんで話してくれなかったっ!」



悔しかった。



波留に病気のことを話してもらえなかったということより波留の痛みに気づいてあげられなかった自分が悔しかった。


「唯は関係ないよ。これは私の問題だから…」



「関係ない…?関係なくないだろっ!俺たち夫婦だろ……」
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