卒業までに、俺を好きになってくれないか
女の子から、なぜかきゃあきゃあと

言われる俺


正直、あんまり好きじゃない


でも、応援してくれるのは有難い



だから、ちゃんと


いや、それなりに


笑顔で返している







俺は、サッカー部に入ることが

入学前から、決まっていた



「琉聖… 災難だな」

「ん?なにが?」



声を掛けてきたのは、中学から一緒で
同じクラス、サッカー部に入る


都築 慧 (ツヅキ サトシ)


「病人の隣… うつされんなよ」


驚いた


コイツ!こんなこと言う奴だったんだ!


「最低だな…」

「冗談だよ!そんな、睨むな!!」


俺は、機嫌を治せなかった

和久井さんが、席にいなくて良かった

彼女を傷つけたら

いくら、慧でも

許さねえ



「珍しいな?琉聖がさ…女の子に
話し掛けるとか、そんなに肩入れしたり
ちょっと、からかいたくなったんだ」


「るせっ!ほっとけ!!」






そう、入学式の日



クラスメイトの前で、俺は和久井さんに

声を掛けた


中学から一緒の奴らは、こんな俺を

初めてみる


だって、初めてなんだ


話したい


もっと、見ていたい


声が聞きたい


手を繋ぎ歩いてみたい



そう思うのは、和久井さんが初めて



これは、初恋なんだ



慧にからかわれ、自分の気持ちを知る








俺は、和久井さんに恋をしたんだ






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