忘れられた塔
哀しい真実。


ひとり取り残された姫君はようやく、永い孤独から解放されたのです。


「ーー魔法でシオンの花束を出せたけど、オレは彼女の騎士じゃない」


塔から蒼白い月を眺める旅人の手の中には、シオンの花が一輪。


花しか出せないこんな魔法でも役に立っただろうか?


それを知る術はもう何処にもないけど。


旅人はいつまでも月を眺めていましたーーーー


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