The Little Red Story
だが、結果はもう既に分かっていた。



狼人間の兵数が1万に対して政府は5万という大規模な軍隊を用意してきた。



圧倒的に不利な戦状のもと、それでも戦線を維持しようとした先導者が死亡して戦いの幕はあっけなく閉じた。



狼人間はほとんど戦死したため、『狼人間と人類の関わりを一切禁止する』という法律が出来ただけで、撲滅はされなかった。



人目をはばかるようにして生活する狼人間の姿は、50年経った今でも確認されていない。


一方戦争に勝った政府は先導者である少女を表彰し、彼女の生まれ育ったスペンサー家は一気に華族へと上り詰めた。



この事件は『赤ずきんの変』と呼ばれ、世界に広く知れ渡っている。
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