桜色タイムカプセル
ファンの間では、学様ー、だなんて呼ばれているらしいけど、彼には愛する彼女さんがいる。



ファンのみんな、無念……。



「って、聞いてる?さくら」


「へっ?あ、う、うん」



正直、聞いていませんでした……。



そんな意味を含めて、私は曖昧に答えた。



すると、目の前に飛び込んできたのは、かいくんの指。



同時に額に痛みを感じた。



「デコピンはなしでしょ!」


少しヒリヒリする額を擦り、私はムッとした顔でかいくんから目をそらした。



「人の話を聞いていなかった罰でーす」



さくらが悪いんだよ、と一言も付け足してかいくんは笑顔を見せてくれた。
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