桜色タイムカプセル
高橋くんは、大きな口を開いて笑った。


「で、ここで篠原に問題がある」


高橋くんは、指を立てた。


「俺の想い人と、お前の想い人の違いは、なーんだ」



「……性別?」


「うん、それもあるんだけど。ちょっと俺の答えとは違うな」



高橋くんは、いつも通り、チャラけて笑った。



「時間切れ。正解は、俺の想い人には好きなヤツがいた、でしたー」



高橋くんは、いつも通りに笑った。



だけど、私にはわかっていたんだ。



高橋くんの、苦しんでいる顔が。
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