私、あなたを呪ってマス! ~こちびOLと凶悪な先輩、芹沢彰人の日常~
イケメンなら、なにをしても許されると思うなよっ!
 


 私は、イケメンとかいう人種が嫌いだ。

 絶対調子に乗ってるから。

 すぐ人を莫迦にするし。

 特にこの芹沢彰人っ!

 爽やかな朝の職場。

 酒井小春は、
「おはようございます」
と小春の居る総務にやってきた彰人を睨んでみた。

 だが、彰人は小春の後ろを通り過ぎ、二つ向こうの席に座る美人の先輩、鈴木彩音(あやね)に、
「先輩、ボールペンください」
と言っていた。

「芹沢くん、備品伝票は?」

「すみません。
 備品伝票も下さい。

 うちの部署切らしてるんで」
と言う彰人に、彩音は、もうしょうがないなあ、と笑ったあとで、

「私が書いてあげるわ」
などと言っている。

 おいおい。

 いつもは備品伝票がないと渡せない、と突っぱね、その場で書かせたりしているのに。

 彩音先輩は、結婚を控えているのだが、芹沢彰人となら、浮気してもいい、とこの後に及んで言っている。

 恐るべし、社内一のイケメン。
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