ポケットの幸せ
女の子はいつものように街に出た
新しい発見があるわけでも、ご馳走が食べられるわけでもないけれど
公園で凍えているよりは時間が早くなった
顔見知りのお店の裏を回り
「おはようございます」
なんて挨拶をすると女の子を哀れに思って
お店のあまり物やなんかをくれるところが数件ある
その優しい人たちにあいさつをして
この止まらない飢餓感を少しでも取り除くために
女の子は毎日街にでる
自分が死んでしまわないための習慣として
女の子は今日もきちんと街にでる