イレカワリ~番外編~
迷い-歩side-
海と仲直りしてからは、パーティーの準備で途端に忙しくなった。


ほぼ毎日お見舞いに行っている海は金がなく、俺が材料を買ってくる役割になっていた。


料理とか、ケーキとかは親の手助けも必要だ。


「この画用紙にでっかく『沙耶誕生日おめでとう!』って書くんだ」


海が白い画用紙を取り出してそう言った。


一枚に一文字ずつ書いていくつもりらしい。


「わかった」


俺はそう言い、色とりどりのマジックを手元へ引き寄せた。


文字は海よりも、俺の方が少しだけ上手だ。


「俺は飾りつけを作るから」


海はそう言い、折り紙を切って輪っかを作り始めた。


細かい作業になると、海はすごく集中する。


2人で分担しての作業は、沙耶の誕生日の数日前まで続いた。
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