イレカワリ~番外編~
☆☆☆

翌日。


起きてダイニングへと向かうと、すでに海が朝食を食べ始めていた。


俺がダイニングへ入ると同時に視線をそらす海。


あからさまに避けられているのがわかった。


「海……」


「おはよう。俺、もう行くから」


俺が声をかけると海は朝食のパンを残して鞄を手に持つと、そそくさとダイニングを出て行ってしまった。


俺はそんな後ろ姿を見送り、大きく息を吐き出した。


普段は自分でパンを焼いたりしないのに、今日は俺の料理が食べたくなかったのかもしれない。


「あら、海はもう行ったの?」


エプロン姿で現れたお母さんが驚いたようにそう聞いて来た。


「うん……」


俺は力なく、そう頷いたのだった。
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