愛故に、傷付いて傷付けた。
悲しみと傷跡





「や、まと……くん……?やっ……!」


「黙って。」



怯える彼女をベッドに押し倒した。


彼女は小さい身体で必死に抵抗するけど、そんなのなんの意味もない。



俺を見上げて、目に涙なんか溜めてさ。


そんなに俺が怖いの?


プルプルと震える彼女にそっと囁くように名前を呼んだ。



「日和」



一筋の涙が日和の頬を伝って、流れていく。


あぁ、壊してやりたい。


めちゃくちゃにして、俺だけのものにしたい。


心の底からそう思う。







だけど、それは出来ないから。



「お前なんか嫌いだよ」



こんな言葉で、傷付けるんだ。



「じゃ……なん、で……こん……なこと……」


「傷付けるために決まってるじゃん」



……違う。本当はそうじゃない。


でも、言えるわけない。


俺のものにしたいなんて。




「っ……うぅ、」



泣いている彼女の腕を片手で頭上に持ち上げて固定する。


空いた手で荒々しく服を捲り上げた。



「やっ、や……めて……!」


「やめるわけないでしょ?」



貪るように彼女に触れる。


ポロポロと涙を零しながら、歯を食いしばる日和はぐっと目を閉じて、抵抗することをやめた。




あぁ、愛おしい。


なんでこんなに可愛いんだろう。


なんでこんなに綺麗なんだろう。





なんで俺のものにならないんだろう。






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