【企画】海のあるここで
「お前、昨日俺に自分のことなにもわかってくれんって言いよったけどな」
「…………」
「お前のほうこそなにもわかってない」
え、それってどういう……?
「俺がどれだけお前のこと本気で好きで、どれだけ会いたかったか」
「……っ……!」
そう言って私のことを抱きしめたコウの腕のチカラがすごく強い。
まるで俺はこんなにも会いたかったんだぞ!って言われているみたい。
それにこたえるようにコウの背中に腕をまわす。
あぁ、もう、どうしよう……。
ずっとこうして欲しかった。
ずっと待ってたよ、コウ。
「俺、お前とのこと真剣に考えとる。やけん、仕事をすこしでも早く覚えたいんよ」
「うん……っ」
「俺の言ってる意味わかってる?……何年かかるかわからんけど、お前と一緒に生きていきたいって思っとるとよ?」
コウ……それって!