キミと初恋、はじめます。
「ちょっと夏も祐介も、シキが怖がっちゃってるから静かにして……」
「えっこの子がシキちゃん!?なにめっちゃ可愛いじゃん!お前にはもったいねーな。うん、俺がもら……」
「あんたは黙ってろ!この浮気野郎!」
「冗談だっつの!浮気なんてしねーよ!俺は本命なっつん一筋だから!」
騒がしいよ!ここ仮にでも医務室だよ!
という心の声を抑えて、あたしはそっと翔空に近づき耳元に顔を近づけた。
「っ……!?シ、シキ?」
「え?あの、ふたりは……」
なにに驚いたのか、一瞬身を固くした翔空。
突然あたしが出てきたからびっくりしたのかな、なんて思いながらあたしは首を傾げる。