今、2つの色で


逢坂はあたしの持っていた缶を横取りすると、パキッと大きな音を立ててその缶を開けた。


「冷てぇ…寒」


飲む理由を失ったあたしと駿のレモンティーは、気がつけば逢坂の喉を通って一滴残らず消えていた。


「逢坂こそそんな言うなら飲まなきゃいいじゃん」


無理しているのか本当に飲みたいのか分からないけど、とにかく2缶のレモンティーを飲み干した逢坂が可笑しくて、あたしは笑った。


――あ。


また、笑ってた。

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