今、2つの色で


はじめて呼ばれた。


あたしが見開いたままの目で逢坂を見上げると、逢坂も同じように既にあたしを見つめていた。


「これから凛夏って呼ぶことにした」


なんであたしの名前を知ってるか分からないけど、そういえばさっき駿に教えられたって言ってたっけ。


そこに謎は残ってるけど、これ以上コイツと関わるとまた打ち解けてしまいそうだし。


別に…いいか。


「…どーぞご勝手にっ!」


あたしはそれだけ言うと、今度こそ帰ろうと教室のドアまで歩き出した。

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