今、2つの色で


――勘違いされるかもしれない。


だから別々に帰ろうとしているのに。


「無理、俺も今帰るって決めた」


コイツ…!


逢坂はあたしの言葉に何も応えることなく、当たり前のような態度で偉そうに後を着いてくる。


「じゃあもっと離れましょう!!もっと!!」


そう、離れれば問題ない。


あたしは振り返って逢坂の姿を確認すると、手の甲で払う動作で逢坂を遠ざようとする。


そんなあたしの言葉と動作に気がついた逢坂は、眉間に皺を寄せて言い放った。

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