今、2つの色で
そう言って可愛らしいキーホルダーが付いた鞄を手に持った未亜は、あたしの背中をポンポンと優しく叩いて、そっと教室を出ていった。
「未亜、また明日ね」
今日は未亜は、お母さんに車で迎えに来てもらうらしい。
あたしが家まで送り届けられないことが少し不安だったけど、そういうことなら嫌がらせをされることもないし安心だ。
あたしは教科書を机の中から出しながら未亜を見送ると、そっと斜め前の駿の席に目を配った。
駿は、そこに座っていた。
背中を向けられているから何をしているか分からないけど、駿の肘の袖からは開かれた教科書の端がチラッと見えている。