今、2つの色で


そう言って可愛らしいキーホルダーが付いた鞄を手に持った未亜は、あたしの背中をポンポンと優しく叩いて、そっと教室を出ていった。


「未亜、また明日ね」


今日は未亜は、お母さんに車で迎えに来てもらうらしい。


あたしが家まで送り届けられないことが少し不安だったけど、そういうことなら嫌がらせをされることもないし安心だ。


あたしは教科書を机の中から出しながら未亜を見送ると、そっと斜め前の駿の席に目を配った。


駿は、そこに座っていた。


背中を向けられているから何をしているか分からないけど、駿の肘の袖からは開かれた教科書の端がチラッと見えている。

< 56 / 500 >

この作品をシェア

pagetop