愛しのカレはV(ヴィジュアル)系
「さゆみ…五芒星のイヤリングのことだけど…」

「あぁ…」

さゆみは、私の言わんとするところをすぐに察してくれた。



「一回使っちゃったけど…良かったらさゆみが使う?」

「ううん、あそれはあんたにプレゼントしたものだし、私、イヤリング苦手だから。」

そうなんだよね。
耳が痛くなるとかで、さゆみはイヤリングは付けないんだ。



「じゃあ、私もライブでは付けないようにするね。
あ、あと…ハイキングでも。」

「いいよ、そんな気遣わないで。」

「でも……」

「本当に良いから…」

「そう?……わかったよ。」

さゆみの本心はわからないけど…これ以上言うのも何かなと思って、私は話題を変えた。



「あのね…昨夜の打ち上げだけど…あのお店ってね…」

さっき、瑠威に聞いたばかりの話をさゆみに教えて、昨夜の話でひとしきり盛り上がった。



(どうしよう?あのこと…
言った方が良い?それともやめとく?)



さっきは言うって決めたはずなのに、言いにくいせいなのか、少し心が揺らいでしまった。



(でも……)


「あの、さゆみ…
ちょっと真面目な話して良い?
いやだったらやめとくけど…」

ついに私はあのことを切り出した。
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