mariage
1.迷える花嫁
私は愛してやまない、恋い焦がれた彼と結婚した。

でも、彼は私の事など愛していない。

彼は、私の肩書きと結婚したの。

三条物産の令嬢である私、三条琴乃(24)

彼、私の夫になった男。

鮫島コーポレーション社長、鮫島秀吾(29)

鮫島コーポレーションを若くして1人でここまで大きくした。

でも、どうしてもそれだけでは経営は難しかったのか。

親しくしていた私の父、三条社長の後ろ盾が欲しかったのか、三条社長に言われた一言で、いとも簡単に結婚を決めてしまった。

「琴乃を鮫島君の嫁にしてやってくれ。一人娘で、ただただ心配なんだ。君なら、琴乃を、そしてこの会社を守ってくれると思ってね」

「…三条社長の思いのままに」

秀吾の言葉に、三条社長は安堵の溜息をついた
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