悪いキス

「もうすぐ夏休みも終わるね、おふたりはどこまでやったの?」

悔しかったからそう訊いてやった

わたしの記憶は一気に思い出してしまっていた

彼女の声が聞こえて誰かに押されて酷い衝突を受けたことを

「「え……?」」

ふたりは耳を疑ったようだった

「よくもまぁのこのことわたしの前に現れることが出来るわね?」

わたしは泣きながら振り向いた

「思い出したの、思い出したのよ。なにもかも」

「琴美…!」

大航の声がした


< 322 / 415 >

この作品をシェア

pagetop