悪いキス

「遊びはここまで。まぢでキスしよ」

渕上はカメラを置くとわたしの手を引っ張って抱き寄せる

しかしわたしは何度も抵抗する

「嫌だ、放して……」

「どんな感じだった?先輩とのキスはどんなふうに感じたんだ?俺、レンズ越しからずっと覗いてたんだぜ?」

「痛い…誰か助けて!」

わたしの悲鳴はとてもか細いものだった

とうてい大航には届くはずもない小さな悲鳴


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