悪いキス

「桑原の女だとかどうでもいいから、俺にだってキスさせろよ」

「…もう一回ボールをぶつけられたいか?」

「減るもんじゃなし、いいじゃんか。琴美ちゃんちゅーして」

鳥のくちばしのように唇を尖らす

「だから、無理だよ」

わたしは握られた手を振り払った


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