悪いキス

わたしの視界はグレイに霞んでいてつねに斜め45度下を見ていた

前髪は目にかかるほど長く、顔は塞ぎがちだった

なんの気力もなく、ただ毎日がすぎていく時間が無謀に思えた

何をするのも楽しくない

こんなふうに陰湿でいるから、友達と呼べる存在なんてあるわけないし
ましてや彼氏なんているわけがなかった

そう、今、彼に出会うまでは。


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