愛を教えてくれたのは若頭

私のスマホの画面をみて眉をひそめた
誰かな？と思いながらも
晃さんの様子を伺う

晃さんは画面をタップし
耳にスマホを当てた



「誰だ」


その言葉に公衆電話だと理解した
度々着信がある公衆電話
無視はしていたが
あまりにも何度も着信があれば
知り合いなのかと思ったりもする


晃さんは誰かと話している
それが誰なのかわからない
チラッと私の方を見れば


「少し待て」


そう言って、耳からスマホを外す
そして私に近づいてきた


『へ？誰？』


「ユウヤっつー、ガキだ」


誰だ？と続けていい
私にスマホを渡してきた



裕也？まさか、と思いながらも
子供っという言葉にスマホを耳に当てた


『裕也？』


久しぶりに口にした義理の弟の名前
久しぶりに聞く裕也の声


「ねーちゃん、」


ねーちゃん、
なんて呼ばれるのは久しぶりだ
嬉しさもあったが、
それ以上に不安が増した