愛を教えてくれたのは若頭

向けられた牙



裕也からの電話は度々あった
塾の前後の少しの時間
ただ、その塾がいつっていうのを
私は全く把握していないから
電話に気がつかない

いや…鳴ってもスマホを手にはしない


「こんなに頻繁にかかってくるってことは、やっぱりなんかあるんじゃねぇか?」


あまりにも毎日かかってくるから
晃さんも気にしているみたい
けど、あれだけ私を嫌っていた裕也が今更私に頼るなんて…


あの人たちがどうなろうが関係ないし
なんなら、離婚してほしいくらいだ
離婚したところで
母とまた一緒に暮らすなんて
絶対無理だろうけど…


「お前が話したくないなら、俺が話しを聞いてやろうか?」


『いらない。そこまで首を突っ込まなくていい。私は関わりたくないの』


「中学生のガキが一人で抱えらんねぇから助けを求めてんじゃねぇの?お前しか頼る奴がいねぇんだよ」

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