愛を教えてくれたのは若頭
心臓バクバク言いながら
私はそのまま後ろを向き
ハイハイするような格好で
逃げるように退散する
が、やはりそれは無理だったみたいで
お腹に腕を回され引っ張られ
晃さんの腕の中に収まってしまった
頭の上からはポタポタと水滴が垂れてきて、私の髪や服に落ちる
晃さんの濡れた身体は拭かれているわけではないから
密着している部分は濡れている
『か、風邪ひいちゃうよ?』
お風呂に入っていたとはいえ
体も拭かず何も着ていないと
一気に身体から熱が冷めてしまう
「…永遠、お前は誓える?」
そう聞こえたのは
いつもの晃さんの声だが
明らかに弱々しい
私を抱きしめている腕が
微かに震えているようにも見える
以前にも口に出した「永遠」
そこまでこだわる理由は
晃さんの過去…トラウマなんだろう