愛を教えてくれたのは若頭


見たらダメだと言われても見てしまう
風間さんは晃さんを止めに行った


「晃、茜ちゃんの前だ」


やめろという言葉に晃さんがチラッと
私の方を見た
けど、すぐ逸らされ
湯川の首を締め付けた


「晃、この人を殺したところで悲しい思いをするのは茜ちゃんだ。お前がいない世界に茜ちゃんを残すのか?」


冷静に説得する風間さんの手は
晃さんの肩に置かれていた
それでも手を緩めない晃さん


「なら、お前がいない世界で俺は茜ちゃんと幸せに暮らすわ」


そう言って、ポン、と肩を叩いていた
「だまれ、茜は俺のだ」
そう聞こえた声は
いつもの優しい晃さんの声だ
湯川の身体はそのまま座り込むように下がっていき、晃さんは私に近寄る


良かった、そう思った
晃さんの姿をハッキリ見ると
安心して涙が伝う
そんな私を晃さんは優しく抱きしめてくれた


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