恋する上司は同級生!?
心の中で呟く。それは、明奈さんへの謝罪じゃない。司への、言葉だった。

「私、司と付き合えない・・・やっぱり、女の人を試すような人とは・・・付き合えない」


涙が出そうだったけど、ぐっと堪えた。鼻の奥が、じんと痛かった。

「そっか・・・。じゃあ」

司がギシギシと近付いてくる。司っ・・・!?

「言葉を変えるね。付き合え。」

・・・はあ?

「何言ってるの?そんなの、飲むはずないじゃない。馬鹿じゃない?」

「お前、その口を慎め。さっきから無礼すぎると思わないか、その態度?俺は、上司なんだぞ!」


何言ってるんだろうこの人。

司はもう、会社を辞めたじゃない!

すると、そんな思いが分かったのだろうか、こんな返答が返ってきた。

「俺、会社に復帰する。・・・明奈とも、もう別れたし、な。

もともと、社長の方から復帰しろと勧められていた。

それに応じるだけだ。

それに、俺が復帰したら・・・お前は俺の部下に戻る。同級生ゴッコはおしまいだ」

うっ・・・嘘でしょっ・・・!?

突然の告白に、頭が混乱する。

また、司が・・・いや、司先輩が、あの会社に戻ってきてくれるなんて!!!


「せっ・・・せんぱぁい〜」

思わず司先輩に抱きつく。

そっか私は、先輩に傍にいて欲しかっただけなんだ・・・。

はっ!どうしよう、まだ先輩にゾッコンだって、完全にバレちゃったよぉ〜(泣)

「やっぱりお前、俺のことまだ好きだったか。アホすぎるだろ」

先輩はプッと笑うとはにかんで、私の額にチュッとキスをした。

「聞くよな?上司からの、命令」

素敵な笑顔でフワリと微笑む先輩に、私はふぁぃ・・・、と答える他なかった・・・。
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