誰かを好きになるということ
私はおとなしい子供だった。礼儀作法にきびしくそだてられた私は近所からもほめられるそんな子供で、でも、うちのまわりにはなにもなくて遊ぶ場所さえ困っていた。しかし、私には2つ年下の妹がいたり、となりのうちの子供(男三人)がいたり、近所の幼なじみやら子供はけっこういた。そしてうちのすぐうらには鉄製のおおきな管がたくさんつみあがりドラム缶などいまではけっして入ってはいけない場所さえ無法地帯だった。子供ですからもちろんあぶない場所がだいすきです。横になってる管の中をひざまづきながらすすんだり、管の上に登ったり…。そんなおてんばをしていたときの夕方、お風呂にはいるそのときにちいさい私のパンツが真っ赤に染まっていて。これには私もびっくりすることながら両親もかなり驚いてなんでこんなことになったかって?それは四角に切り取られていた鉄管の穴に片足が落ちてしまったから。そして私の足の付け根を切ってしまったから。

すぐ近くには汚い川を埋めてそこに公園をつくる計画もあったり。そこでまず一回目のどぼん。川をうめるにあたりそうとうなじゃりやら泥を運んできてヘドロだらけの川面へ流し入れる工事がすすんでいてそこへは入ってはいけないと言われていましたがいっしょに遊んでいた妹はそんなことは無視。どろどろに足が埋まってもきゃっきゃと喜び遊んでいました。私は叱られるのがこわくて妹にも「やめなよ、やめなよ」と何回も言ったけど結局いうことを聞かずに入っていると川のふちにたどり着くまでに足がはまってしまい「お姉ちゃん助けて」といいはじめた。私はなんとか腕をひっぱり妹を岸までひっぱりあげましたが助けるために泥のなかに入った私のほうが埋まってしまい自分の力では上がれなくなってしまった。もちろん、妹がひっぱれるはずもなく私は「お母さんよんできて」と頼んだ。それから間もなくして母がきてくれて私の腕を引っ張ってくれた。私の命拾いの代償は私のお気に入りのかわいい靴だった。
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