これも恋と呼んでいいのか


「げっ、とは何ですか」


追いかけて後から来たかずみと呼ばれた30代の女性に睨まれ、おどおどする琉ヶ嵜。


気が強そうなひっつめ髪で、薄い麻のシャツにパンツ姿でキャリアウーマン風。琉ヶ嵜が苦手なタイプのようだ。


「いや、あの、げ、お元気そうで…」


慌ててごまかす琉ヶ嵜。
ゆきたちに説明しようと、


「あっ、こちら、知り合いで…」


「元彼女です」


被せるように奈都。妙に余裕が見えた。


「えっ…?!」


「お久し振りです」


にっこりとし、頭を下げさせる。


「ほら、陽(ハル)ご挨拶は?」


「パパでしょう??こんばんは。お友達??」


「こちらの方たちは?」


かずみが嘗めるように見て。


「えっ!?あっ、えっと、会社の、仲間で」


かなり動揺している。
靖美が顔を伏せ、


「…ごめんなさい、ちょっと用事を思い出したので…」


そのまま飛び出した。


「靖美ちゃん!!」


「久我!!」



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