これも恋と呼んでいいのか

「…どういうことだ?そこまで知ってて黙ってたのか??俺が死ぬほど落ち込んでたってのに」


琉ヶ嵜がゆきを睨む。


頭をわしわしと掻くと、はーっと深呼吸する。靖美に向き直り、


「それはともかく!!誤解させて泣かしちまって、嫌な思いさせたのは事実だ!!俺は最低な男だ!!申し訳ない!!」


頭を下げる琉ヶ嵜。


「……落ち込んでたんですか??」


靖美が、不思議そうに。


「そりゃそうだろうよ!!結婚できねえってバッサリ振られたら!!あんな青臭いプロポーズしたんだぞこの年で!?」


「……子供さんのためにも、彼女とよりを戻すかと思いました。だったらいっそ、黙って身を引こうかと」


本屋も辞めて、コンビニメインで入りながら、他の仕事を探そうとしたらしい。


「そんな!!そんな訳ねえだろうが!!身を引くって、黙っていなくなったら許さねえからな!!冗談じゃねえ!!」


赤くなって慌てる琉ヶ嵜。
おずおずと目を合わせる靖美。


「…本当に??信じていいんですか……??」


思わず抱き締めた。


「当たり前だ!!傍にいろっつったじゃねえか!!」


本当に世話が焼けること、と、
ふう、とため息をつくゆき。


「最近亡くなったご主人に似てたから、間違えたらしいですよお子さんも」


「……なんてこった…俺は一生後悔するところだ」


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